トラックのスペア脱着方法(JIS方式)

スポンサーリンク

今回はJIS方式トラックのスペア脱着の方法をご紹介したいと思います。車載工具のみを使用します。以下の画像は3.5トンエルフです。

安全でなるべく平らなところへ停車し輪止めをかけます。

シートの後ろに搭載されているスペア工具を取り出します。

クランクハンドルを使用してスペアタイヤを降ろします。

ジャッキアップをする前にナットを緩めます。レンチを差し込んで緩めるのですがJIS 方式の場合は運転席側:正ネジ(時計回しで締まる、反時計回しで緩む)助手席側:逆ネジ(反時計回しで締まる、時計回しで緩む)であることを忘れないでください。ちなみにISO方式はすべて正ネジです。正ネジ逆ネジに関してはこちらの記事もご覧ください。https://tireshopminato.com/archives/823

今回は左リアタイヤですので時計回りに回して緩ませます。

しかし車載のレンチハンドルの棒は50~60センチのものが多くこの長さではなかなか緩みません。2~4トン車両の規定締め付けトルクは約500N.m(50kgf)となります。これは1メートルの長さの棒の端に体重50キロの人が乗ってやっと緩む力です。棒の長さが半分の50センチとなると体重100キロを超える人でなければ緩めることができません。そのため下の画像のように単管パイプ等を差し込んで棒の長さを延長することが必要です。もしものための時に車両には単管パイプかギアレンチを積んでおくのが良いと思います。ギアレンチに関してはこちらの記事もご覧ください。https://tireshopminato.com/archives/955

最初に六角のアウターナットを緩めます。すべて緩め終わったら今度は内側のインナーナットを緩めます。インナーナットは六角ではなく四角のナットになります。タイヤレンチの反対側がインナーナット用のソケットになっています。タイヤレンチを逆向きでセットして緩めます。緩めすぎないよう注意してください。

すべてのナットを緩めたらジャッキアップです。

ボトルジャッキの下の方にリリースバルブがついていますのでこれをジャッキバーを使用して時計回りに回して締めます。

リアタイヤ付近を下から覗くとUボルトの出っ張りが4つ見えるかと思います。ここにボトルジャッキをかけます。

フロントも同じくUボルトの出っ張り部分にかけます。

ジャッキの先端部分は回して高さを調整することができます。

一般的には上記のようにUボルトの出っ張り部分でジャッキアップすることが多いですが車両によっては違う場合もございます。車載の取り扱い説明書をご確認ください。

タイヤが地面から1センチほど浮くところまでジャッキアップします。

タイヤレンチを使用してアウターナットを完全に取り外します。

おなじくインナーナットも完全に取り外します。これでタイヤの「脱」作業は終わりです。

つづいてタイヤの「着」作業です。

スペアタイヤを車両に取り付けます。

インナーナットを取り付けます。

タイヤレンチで仮締めします。左リアのため反時計回りで締まります。締めすぎないよう注意してください。また、ジャッキがズレないよう注意してください。

外側ホイールを取り付けます。この時外側ホイールのバルブの位置が内側のホイールのバルブの位置と被らないように注意してください。

アウターナットを取り付けて

仮締めします。

ジャッキのリリースバルブを反時計回りに回してジャッキを降ろします。ジャッキが挟まって抜けないときはジャッキバーをボトルジャッキにつけたまま下に押し付けます。もしくはジャッキの先端部分を回してジャッキを縮めます。

ジャッキを降ろしたらタイヤレンチを使用して確認締めをします。インナーアウターともにしっかりナットが締まっていることを確認してください。ここでも締めすぎには注意が必要です。最後にスペアタイヤと車載工具を元に戻して作業完了です。

上記はあくまで作業例として掲載しております。トラックのタイヤ交換は大変危険が伴います。また作業が不完全ですと車輪脱落事故にもつながります。プロに依頼をするのがベストですが万が一ご自分で作業をされる際は必ず車載の取り扱い説明書をご覧になり説明書通りの作業をお願いします。


トラック インナーナット 外し方 逆ねじ 逆ネジ 

コメント

タイトルとURLをコピーしました